このブログは、次のような理念・目的を持って作成していきます。
- 学校の勉強で悩んでいる人の力になること
- 不登校などで学校に通えずに悩んでいる人の力になること
- 一生使える”独学”の大切さを知ってもらうこと
- 自立し、自分で考えることができる若者を少しでも増やすこと
読者として想定しているのは勉強している中高生です。
社会に出ても、学ぶことは一生続きます。学びの基本は”独学”です。独学についての考え方とスキルを身につけてほしいと思います。
ブログを書いたきっかけ
10年以上にわたって予備校講師として働いてきた私は、日本の教育について、ある危機感を感じています。
それは、
「塾・予備校などのいわゆる教育産業は、間違った方向に進んでいるのではないか?自立できない、自分で考えることができない若者を育てているのではないか?」
というものです。
自立できない子どもたち
最近担当している生徒に、次のような特徴を持つ子が増えてきました。
- 「目標や計画を立てることができない」
- 「自分のスケジュールを把握していない」
- 「忘れ物が多い」
- 「宿題を欲しがるが、宿題しかやらない」
- 「知的好奇心が少ない」
- 「わからないとすぐ諦める」
- 「自分の受験のことなのに、どこか他人ごとのよう」
- 「頭が痛い、おなかが痛い、といってサボる」
などなど・・・
共通していることは、自分で自分の生活を管理する習慣が無く、当然勉強についても自分で考えて進めることができず、人(や塾や予備校)を頼りにしていることです。
子どもを信用しない保護者
また、保護者からは次のような要望が多くなりました。
- 「息子(娘)は朝なかなか起きないので起こしてやって下さい」
- 「息子(娘)は、放っておくと勉強しないので、授業や個別指導で一日中埋めて下さい」
- 「宿題もたくさん出して下さい」
- 「息子(娘)はなかなかやる気が出ないので、やる気にさせて下さい」
などなど・・・
こちらも共通していることは、自分の子どもを信じていないが故に、自分の子どもを自立させようとするのではなく、人(や塾や予備校)を頼りにしている点です。
どこまでもサービスする塾・予備校
そこに、完全なサービス業に徹した塾や予備校は、きっちりとニーズに応えます。
- 「お任せ下さい!」
- 「全寮制で朝から起こします」
- 「授業も朝から晩までみっちりあります」
- 「指定のテキストや宿題だけで合格できます」
- 「わからないことはいつでも質問できます」
- 「試験当日は試験会場まで引率します」
などなど・・・
生徒や保護者が望むサービスにこれでもか、と応えていきます。そうすれば、満足した保護者は喜んで対価を払うからです。
そこにいるのは、ビジネスに徹してニーズに合ったサービスを提供する塾・予備校と、対価を払ってサービスを受ける消費者としての生徒と保護者です。
教育産業はサービス産業か?
私もいい大人なので、民間企業である塾・予備校は、利益を出さなければ事業を続けていくことはできないことは承知しています。
しかし、利益を上げさえすればいい、という風にビジネスに徹してしまっては、”教育”産業とはいえないのではないでしょうか?
そもそも私は、医療と教育は本来ビジネスには馴染まないと考えています。
売上アップのために、必要以上に薬を処方する病院を信頼できますか?
売上アップのために、必要以上に授業を受けさせる塾・予備校を信頼できますか?
私は、保護者からの次のような要望を受け、そして断ったことが何度もあります。
「学校が終わったら毎日塾に行かせます。ですから先生、毎日授業と個別指導を入れて下さい。お金はいくらかかってもいいです。」
ビジネスと考えれば、これほど美味しい話はありません。向こうからいくらでも払うと言ってるのですから、お望み通り毎日毎日空いているところがないくらいに授業で埋めれば、売上を最大化することができます。
私も人間ですからお金は大好きです(笑)。
「言うとおりにしようかな・・・儲かるし」と考えないわけではありませんが、私はお金よりも好きなものがあるのです。
それは若者です。若者が成長を見届けることが大好きなのです。
ですから、私は丁寧に保護者を説得します。
「お母様の不安はよくわかります。なるべく効率の良い勉強を考えましょう。
とりあえず、基本は毎日塾に通って下さい。
ただ、最初は授業と個別指導で週2くらいでスタートしましょう。
高校生が1週間毎日夜に授業を入れたら、自習をする時間がなくなります。
授業や個別指導も大事ですが、そこで勉強したことを自分の力にするためには、自習が必要です。
他の日は自習してわからないところを質問に来て下さい。
しばらくやってみて、まだ余裕があるようだったら、そのときまた授業や個別指導を増やすことを検討しましょう。」
たいていの場合は納得してくださり、週2か3でスタートします。そして、しばらくして生徒と話をすると、自習時間があってよかった、と話すことが多いです。
真剣に学び始めると、いろんなことを考えるようになります。
なぜこの解法を思いついたのだろうか、他の解法では解けないのか、数字が変わっても同じ解法で解けるのだろうか・・・などなど。
それらを咀嚼して自分の力として取り込むには、自分で考える時間も必要です。
質問することももちろん大切ですが、聞いただけでは自分の力にはなりません。そこからさらに自分で考えて自分の脳に落とし込んでいく作業が必要なのです。
最近の生徒に、前述したような自立していない、自分で考えようとしない、人を頼る傾向の強い生徒が増えた背景には、残念ながらサービス産業と化してしまった塾・予備校業界にも責任があるのではないでしょうか。
私は世の中の流れに逆らいたい
私は常に、サービス産業である側面も理解しながら、信念として「自分の仕事は(ささやかではあるが)教育である」ことを忘れないように心がけてきました。利益のためだけに魂を売り渡すようなことはしない、そう思ってここまでやってきました。
でも私の目に見える範囲では、世の中の流れはどうも違うようです。
塾・予備校業界は高度なサービスを追求し、保護者もそれを喜び、それが結局こどもの成長を阻害し、自立できない子どもを育てている。そんな悲しい方向に進んでいるようにみえるのは私だけでしょうか。
私は、少しでもこの世の中の流れに逆らいたい、と思っています。
学んでいる若者には、独学の大切さ、自分で考えて行動することの大切さを。
保護者には、子どもを信じてあげることの大切さ、時には不安を押し殺して手を離すことの大切さを。
同じ業界で働いている人には、ビジネスと教育のバランスをとることの大切さを。そして私と同じような考えで頑張っている人に、あなただけじゃない、ここにもいますよ、と。
私なりに伝えていきたいと考えています。
元気が出る独学コーチ長宮慶次のプロフィール
長宮慶次はペンネームです。本名は大人の事情により非公開とさせていただきます。
仕事
九州で働く予備校講師です。個人宅に出張授業も行っています。それ以外にも,人間関係の悩みを解決するセミナー講師などをやっています。
家族
カミさん、長女、次女、母の5人家族です。
好きなこと
好奇心が旺盛で、たくさんのことに興味があります。例えば・・・
自転車、バイク、文房具、スマホ、パソコン、ラグビー、バドミントン、ランニング、ツボマッサージ、建築、統計学、超常現象、古代文明、歴史、・・・
きりがありませんね(笑)。
心がけていること
- 人はみんな違う。それぞれ尊重しよう。
- どんな些細なことでも質問を受けよう。ただし教えすぎないように。
- 合理的に考えよう。しかし非合理的な人間味を大切にしよう。
- 未来は常に明るい。現在の努力があれば。
- 情報に惑わされず、本質を掴め。
- 自分のできることに集中しよう。