独学コーチ長宮慶次です!独学で勉強できてますか?
何かを学ぼうと独学しているあなたの力になりたい,と思って記事を書いています。お役に立てれば幸せです。
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今回の記事は、計算ミスなどを繰り返して悩んでいる人のために書きます。
とうとう泣き出してしまった生徒のこと
私には,1対1の出張授業で教えている生徒がいます。そのうちの一人のことなのですが,先日授業中に泣き出してしまいました。
ある大学の対策問題を解説しているときのことでした。その子は解いた自信があったようで,授業を始めるときは自信ありげにしていたのですが,解説が進むにつれだんだん顔色が冴えなくなり,3番の解説が終わったころに泣き出してしまいました。
1対1なので,その子のノートも見ながら,そして解くときに考えたことを聞きながら解説していたのですが,確かに解法などは間違っておらず,正解するはずでした。
ところが,1番では掛け算のミス,2番では問題文の読み間違い,3番では計算しているときにプラスとマイナスを書き間違えるという単純なミスを繰り返しており,3問とも間違ってしまっていたのです。
そしてとうとう「いっつもこう。私はミスばっかりするんです。もういや!」と言って泣き出してしまった・・・という訳です。
似たような経験がある人はいるのではないでしょうか。
確かに,凡ミスとはいえ,こうも続くと精神的にはダメージ受けますよね。
気持ちがマイナスになってしまうと,自分を責め,自分なんかいくら勉強しても合格できないような気がしてきます。
でもそこを踏みとどまりましょう。
目標は志望校への合格なのですから,合格するためにどうすればいいかを考えましょう。
ミスを繰り返してしまうのはなぜか,そしてそのミスを減らすためにはどうすればいいかを考えましょう。
ミスをする人はたくさんいる
まずは心構えについて。
同じように些細なミスをしている人はたくさんいます。
人間ですから,ミスやエラーは避けられません。
ですから,まずはミスをするのは当然である,と受け入れましょう。
そして次に,ミスをした経験を「本番でミスをしないための貴重な経験である」ととらえましょう。
失敗は成功のもと(Failure teaches success)とも言います。失敗から学ぶ(Learn from your mistakes)のです。
すべては合格するために必要な経験である,と考えましょう。
ミスには2種類ある
心構えができたのであれば,ミスを無くすための対処法を具体的に考えていきましょう。
普通はみんな「次から気を付けよう」とか「もっと注意しよう」といった漠然としたことしか考えませんよね。
でも,そんな精神論に近い対処法では,また同じことを繰り返してしまう可能性が高いです。もっと具体的な対処法を考えなければなりません。
ミスには大きく2つの種類があります。
無視してもいいミス
1つは「些細な無視してもいいミス・エラー」です。
これは,何らかの不運が重なってたまたま起きたミスです。たくさん問題を解くのですから,ある程度の割合でエラーが起きることは避けられません。
でもこれは,少し見直しすると気づくものですから,無視しても構わないと思います。
ただし,このような”無視してもいいミス”は少なく,大半は次に挙げる”無視できないミス”であると思ってください。
無視してはいけないミス
もう1つは「何らかの原因・クセがあって起こったミス」です。
こちらは,ミスをする”原因”があるものなので,その原因を取り除かない限り,また同じミスを繰り返す可能性があります。
ほとんどの人はミスをしても,その原因は何かを考えようとはしません。たまたまミスをしただけ,つまり前述の「些細な無視してもいいミス・エラー」だと考えます。注意すれば,同じミスはしないだろう,と思ってしまうのです。
しかし,私の印象では,生徒のミスが10回あったとしたら,無視してよいのは1つくらいで,残りの9つには原因があると思っています。
自分のミスを過小評価しないようにしましょう。
まずはミスを書き留め,リスト化しよう
人の頭は,都合の悪いことは忘れるようになっています。私も,若いころ女性に振られた経験はすっかり忘れてしまいました(笑)。
自分がどんなミスをしたのか,ということは,自分では結構忘れてしまいます。ですから忘れないよう,どんなミスをしたのかを書き留め,リスト化していきましょう。
例えば,「通分するときに計算ミスをした」「計算の途中で,マイナスだったものが次の行でプラスに間違っていた」「問題文の条件 ( a > 0 )を見落とした」といった感じですね。
次に,ミスの原因として考えられることを書き留めよう
次に,「ミスをした原因として考えられること」を考え,リストに追加しましょう。
もちろん,いつも判明するわけではなく,原因不明のこともあると思いますが,仮説でもいいので書いていきましょう。全然わからない場合は”原因不明”とでも書いておきましょう。
ここで,実際に指導して解決したケースについてお話ししましょう。
九九を2度も間違えた!?
小テストを採点していて,ある生徒が通分を間違えていました。その時はその生徒も私も「次は気をつけろよ」くらいで笑ってスルーしました。
ところが,2か月もしないうちに,また同じような計算ミスを私は見つけたのです。
そこで,2つのミスを比べて原因を探ると,九九の7の段を間違えていることに気付いたのです。2回とも(~7 times 6~)を(~24~)としていたのです。
すぐにその生徒を呼んで指摘すると,ビックリしていました。自分では,九九に弱いなど思ったこともなかったのです。
実際,九九を言わせると間違えません。でも,通分するときは7の段を間違えたのです,2度も。
私が考えるには,小学校の時に九九を学んだ際に,一度間違えて記憶してしまったのではないでしょうか。
そしてそれを覚えなおしたのでしょうけれど,注意が他のところに行くと,つい間違って覚えてしまった答えが頭にでてくるのではないでしょうか。
原因を取り除くために,具体的な行動を決める
あくまで私が考えた仮説ではありますが,このように原因を考えていくと,ミスをしないための具体的な方法が見つかります。
私はその生徒に「7の掛け算をするときには集中力を高め,必ず見直しなさい」といいました。
「今度から注意しなさい」というのに比べて,具体的になっています。
注意力のリバランス
私たちは問題を解く際に,すべてのことに均等に注意を振り向けているわけではありません。
簡単な計算は,機械的に行えばできます。だからみんな,計算にはあまり注意力を払いません。正確に計算できる力があれば,それで構わないのです。
でも人によってはそうではありません。もう少し計算に注意力を振り向けた方がいい人はいます。
例に挙げたこの生徒も,他の計算についてはさほど問題はありませんでしたが,7の段の計算にだけは,注意力を振り向けなければならなかったのです。
その生徒はその後,7の段に注意して計算するようになったことで,同じ計算ミスをしなくなりました。
つまりそれは,注意力のリバランスを行ったことになります。
さいごに
このように,ミスに原因がある場合は,その原因を取り除かなければなりません。
そして,あなたがしたミスの大半に,原因はあると思ってください。
些細に思えるミスを繰り返す人は,この原因をそのままにしている可能性があります。原因を考え,具体的な行動の仕方を決めましょう。
この記事のまとめ
いかがでしたか?
ミスをしてクヨクヨ悩むのはつらいことです。
それよりも,ミスの原因を探り,ミスを無くすための具体的な行動を考える方が建設的ですよね。
よかったら参考にしてください。
なお,「自分のミスについて,原因を分析し,具体的な対処法を一緒に考えて欲しい!」という要望があればお手伝いいたします。お問い合わせからお気軽にご連絡ください。
今日の格言・名言
- ミスは誰にでもある。そこから何を学ぶかが重要である。
- ミスを些細なこととして忘れてはいけない。そこに宝があるかもしれないからだ。
- 女性に振られたことは忘れてしまおう。きっと他に宝があるのだ(笑)。