勉強するときに使っているノート,どんな風に使っていますか?
人それぞれ工夫して使っていると思うので,自分に合った使い方であればいいと思います。
ただ,時々「これはアカンやろ」という使い方をしている生徒がいます。
そこで,私が思うやってはいけないノートの使い方,そして正しい(と思う)ノートの使い方を記事にしてみました。
これを見た皆さんのお役に立てれば嬉しいです!
勉強している小学生・中学生・高校生
間違った指導をしている先生は多い(特に小学校)
まず最初に,私が見て驚いた新聞記事を紹介します。何に驚いたのかというと,私とは真逆の指導をしていることが書いてあったからです。新聞記事から引用します。
(前略)B5版の大学ノートには,漢字やアルファベット,計算問題が細かい文字でびっしりと書かれていた。県央の中学1年の男子生徒は,新型コロナウイルスで休校期間中の宿題で「1行も空けず隙間なく書くこと」を指示された。母親は「勉強が苦痛になりはしないか心配」と,「SNS編集局」に宿題の多さを疑問視する声を寄せた。(後略)
熊本日日新聞第1面コラム(2020年5月31日)
コラムは主に宿題の多さについて指摘していましたが,それについてはまたの機会に記事にします。今回はあくまでノートの使い方についてお話しします。
この記事の中にあるノートの使い方で気になった点は,次の2点です。
- 複数の教科を一つのノートに書かせている
- 1行も空けず隙間なく書かせていること
私はどちらも,間違ったノートの使い方だと思います。
この宿題の目的が「理不尽であろうとも,苦行として受け入れ,根性をつけさせること」であるならばわかりますが,「学力向上のため」であるとしたら間違っています。
そして,こんな指導は実際に行われているようです。実は私の娘も,小学校の先生から同じようなことを言われたようです。小学校では普通の指導なのかもしれません。それなりに理由はあるのでしょうが,メリットよりもデメリットの方が大きいと思うので,考え直して欲しいところです。
間違ったノートの使い方
間違ったノートの使い方をまとめてみます。
あくまで私の個人的見解ということでご理解下さい。
- 1冊のノートを複数の教科で使う
- スペースを無駄なく使う
- 間違えたところをきれいに消して,正しい答えを書く
異論がある方もいると思います。人によって考えが違うのは当たり前ですからね。
なぜ私が上記の3点は間違っていると思うのか,説明しましょう。
(間違いその1)1冊のノートを複数の教科で使う
ビジネスマンに向けた手帳の活用法の一つに,すべてを1冊の手帳に集約する,というのがあります。そこに全ての情報があるので,探す手間が省ける,というものです。
ですがこれは,学校の勉強をしている学生にはあまり適用できないと思います。
例えば,数学は横書きですが,国語は縦書きです。それらを同じノートに書くと,使いにくいでしょう。そこに全ての情報があると言っても,数学,英語,国語,社会,理科・・・いくつもの教科が数ページごとにコロコロ変わって記述してあったら,探しやすいとは思えません。
それならば,最初から各科目用のノートを作った方が,使い勝手がいいと思います。最近は,グラフが描きやすい数学用のノート,英文がきれいに書ける英語用のノート,など教科別のノートが開発されているくらいです。複数の教科を1冊にまとめるのはやめましょう。
ではなぜ,学校の先生は1冊にまとめさせるのでしょうか?
これは想像ですが,おそらく宿題チェックがしやすいように,だと思います。
複数の教科の宿題を出したとき,別々のノートに書かれていたら,一人につき数冊のノートを預かり,チェックすることになります。もし一人が1冊のノートにまとめて提出してくれれば,ノートの管理は格段にしやすくなります。
しかしそれは,先生側の都合であって,子どものためを思っての指導ではないと思います。生徒のためを思うのであれば,復習するときに見やすいように,ノートを教科別に分けるべきだと思います。
「そのノートを見返したりなんかしないよ,小学生は。漢字を覚えさせたり計算を習得させるために,繰り返しドリルをやらせているだけだよ。」
そんな意見の人もいるでしょう。
しかしそれでも,やはり間違っていると思います。
漢字を覚えさせるのが目的であれば,覚えたかどうかのテストをすればいいのです。計算を習得させるのが目的であれば,計算テストをして確認すればいいのです。
ノートにたくさんの漢字が書かれているのを見てわかることは,生徒がたくさんの時間をかけて漢字を書いた,という事実だけです。その漢字を覚えているかどうかは分かりません。
人によって覚え方は様々なのですから,たくさん書いて覚える人もいれば,数回書けば覚えてしまう人もいるでしょう。
そもそも,そんなひたすら並べて書くだけならば,ノートではなく広告の裏紙なんかに書いたって良いのです。大切なことは,その漢字を覚えたかどうかなのですから。
小学校では1人の先生が全ての教科を担当するので,複数の教科を一つのノートにまとめさせるような間違った指導が行われるのでしょう。中学校では教科別に先生がいるので,複数の教科を同じノートに書かせる指導をする先生は少ないと思います。
(間違いその2)スペースを無駄なく使う
“無駄なく使う”というととてもいいことのように聞こえますが,これはノートの使い方としては間違っています。
隙間なくビッシリと書かれたノートを見ても,大切なところはどこなのかわかりにくいですし,追記しようと思っても書くスペースがありません。
ノートは「予習する」「授業を聞いてノートをとる」「復習するときに見返す」と場面によって書き加えていくことがあります。ですから,ゆったりとスペースをとり,追記できるように,そして追記しても見やすいように,スペースを空けておくべきです。
例えば,数学の大学入試レベルの問題であれば,最低1ページ,できれば2ページ使っていいと思います。
スペースが余ったから,同じページに次の問題を書こう,などと考える必要はありません。大胆に改ページし,改めて新しいページに次の問題を書きましょう。常にページの先頭に問題があると,とても見やすくなります。見返したときに見やすくなるノートを作りましょう。
(間違いその3)間違えたところをきれいに消して,正しい答えを書く
ノートを使う目的は,正しい答えを記述することだけではありません。
「ああ,オレはこんな風に解いたのか」「ああ,こんな間違いしたなあ」「あ,これは今回のミスと同じようなミスだ」「授業で先生がポイントだと言ってたのはここかあ」などなど。
勉強はスムーズに進むことばかりではありません。解けなくて苦労し,説明を聞いて分かったと思い,でもやってみたらまたできなくて悔しい思いをし,それでも続けていたら苦手だった問題が自力で解けて興奮したり・・・そんな様々な過程を経て,学力とは身につくものなのです。その過程をノートを見返すことで,改めて理解を深めることができるのです。
きれいな正解のみが書かれたノートでは,このような豊かな再体験はできません。
間違いをなかったことにしてはいけません。その痕跡を,消しゴムできれいに消してしまうのはやめましょう。
まとめ
いかがでしたか?
私の言う間違ったノートの使い方をしていませんか。若い頃に身につけたノートの使い方は,あまり疑問に思ったことがないかもしれません。この記事を読んで納得したら,今後はぜひ正しいノートの使い方をしましょう。
- 1冊のノートに複数の教科を記述するのはやめよう
- 行間を空け,スペースを広くとろう
- 間違ったところは消さず,残しておこう
この記事が、学んでいるあなたのためになれば嬉しいです。